|
一篇の作品を書き終えた後、全体的にはうまくまとまってはいても、何かしら物足りない思いをすることがあります。
料理でいうと最後に味を調えるスパイスが足りないという感じ・・。言葉遣いがまだ散文的で、言葉の香気が不足しているといったところでしょうか。
こんな時は、ほんのちょっとしたテクニックで解決することがあります。
その方法とは、作中のイメージに関連づけて、言葉をそろえるのです。
たとえば、花をモチーフにした詩の場合、花の色が目にしみる、という表現があるとすると、花の色が目に咲く、と言いかえるのです。
〈しみる〉という言葉のかわりに、花に縁のある〈咲く〉という言葉をあてはめることで、イメージをコーディネートします。
意味合いとしては同じかも知れません。でも、ファッションで配色をコーディネートするように、詩の言葉も素材にあった縁のある言葉を選ぶと、作品全体にすっきりとした統一感が生れます。
ファッションセンスのよい人がコーディネートされた装身具を身につけるように言葉も統一感ある洗練された装いで、作品がひときわ輝きを増すのです。
私はこれをイメージコーディネート(イメージの統一)と名づけています。
●ひとことガイド
作 品
|
|
|
|
|
作 者
|
中村 重一
|
小松 冨美
|
本原 年江
|
R. M. リルケ
|
|
|
|