詩は"思いっこ"のゲーム・・



         
かたつむり
       
松岡 美峰子



    さびしさの渦巻を背負って
    森を這う
    話を聞いてほしいけれど
    耳のない森では
    一人言を葉の上に落としていく
    
青空に渦巻きが吸いこまれていくまで


           ◇ ◆ ◇


形のあるものを通して、形のない心のありようを伝える方法を、詩の世界では〈象徴〉と呼んでいます。
〈かたつむり〉は、作者のさびしさの象徴詩です。
高度な表現力によって、作者は感傷を捨てて、淋しさの思いを深めています。