詩のある花々・・春
蕗の薹



  吹く風に

  真冬とは違った

  遠い春の温もりを感じました

  確かに春は近づいているようですね
プチうんちく:冬眠から目覚めたヒグマが真っ先に口にする春のエネルギー源。語源は、「蕗の塔」(薹が塔の意味)から。花言葉は愛嬌、待望。
土筆



  
土筆の頭が道案内しています
  あっちが春
  こっちはまだ冬 なんて

  内緒ばなしも聞こえます
  あっちの人はやさしそう
  こっちの人はこわそう なんて
 
プチうんちく:『源氏物語』に「つくづくし」の名が載るという。語源は突き伸びる意味の「突く突くし」らしい。花言葉は、驚き。
菜の花


  よく声の通る人です
  大きな声で笑う人です

  職場の先輩で
  時に本気で怒り 時にやさしく励まし
  仕事を教えてくれます

  一緒にお酒を飲んだ夜
  早く亡くなったお兄さんの話をしながら
  子供のように目をうるませていました

  早春の夕べ
  暮れ残る菜の花の
  淡い色を見つめていると
  その人の哀しいまなざしを思い出します
プチうんちく:夏目漱石が愛好した花。『草枕』にも登場する。漱石の時代の菜の花は、種子から油を採る油菜(アブラナ)。花言葉は小さな幸せ。