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てのひら
あなたのてのひらは
種をのせると 花の咲くてのひら
目かくしをされたら虹の見えるてのひら
手に包むと潮の満ちるてのひら
詩集『アンコール』
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「てのひら」が私の処女作になります。原稿は2倍強の長さがあったものが選者の添削によって引き締まった短詩に生まれ変わりました。自作であると同時に、師である高田敏子の手で結実した、私にとって記念碑的作品です。制作時、25歳でした。
選者からの言葉を紹介します。
・・この詩はある意味では抽象的ですが、この場合は自分が受けとめる抽象的な愛というものを一つの比喩で書いているので、これでいいわけです。
この詩は、第1連は恋人の立場、第2連は自分の立場、第3連は二人の立場となっていて、3連がきちっと構成されています。
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