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実家の庭先に咲いていた水仙を食卓に飾ると、あふれる香りがあたりを清めるような思いがします。
水仙の香りに身を清められながら、自分の夢も浄化されているんだな、と、たわいもない言葉が浮びました。
それは存外、思いつきでもなく自分には確かなことのようにも感じられます。
旧友Tom君との花の詩画、写真家keikoさんとの映像詩など、得難いコラボレーションのおかげで私の詩の世界も大きく広がってきました。
これらの作品は自分のためというより、その創作動機は、誰かに 少なくとも創作のパートナーには 喜んでもらいたいということから始まっています。
これまでの私は、ただひたすら自分のために創作してきました。
創作に伴う喜びも苦しさも受け止めるのは自分一人だけ。ですから、この頃の自分の夢は、賞を獲りたいとか、知名度をあげたいとか、虚栄的な要素が大部分を占めていました。
でも、最近は詩画展を開いて友人・知人を招いて喜びを共にしたい、もっと色々な人とのコラボに手を染めてみたい、といった自分のことより仕事面での夢に変わってきました。
少し"濁り"が取れてきたというのでしょうか。夢が健全化したような気がするのですね。
自分一身のために書いてきた過去の詩は、あまり評価されなくて、病床の方や辛い立場に身を置いている知人などに、花のポストカードを贈ると、こちらが驚くほど喜んでいただけます。
また、ギャラリーで公開している映像詩『空の詩集』、『柳井詩情』では、その反響に確かな手応えを感じました。
私の夢もこうしたみなさんの応援やはげましによって、やっと一人前になったということなのでしょうか。
水仙
どこにも行けない花は
香りという手をさしのべて
あなたに寄り添い
呼びとめようとする
香りは花の声です
あなたと花を結ぶ
清らかな声です
2007.4.1
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