詩のある花々・・冬
シクラメン


  かがり火のような花びら
  人の心を温める花びら

  どんなに凍える季節でも
  希望は萌え出ると
  語りかけます

  夕あかりほどの
  恥じらいの色を
  身にまとって

プチうんちく: ギリシャ語の「旋回する」「円形」が語源。花茎がくるくると巻くことから。かがり火のように見えることから、別名「かがり火草」。花言葉は、過ぎ去った喜び。
エピデンドラム

  花に生まれ変われるなら
  香る花びらでなくてもいい
  一生誰の目にもふれない
  根っこでもいい

  根の先に目覚めて
  大地を母のように感じたい

  大地の母から与えられた
  命の水にうるおっていたい

プチうんちく:エピ(epi)は、「上に」を、デンドラム(dendrum)は「樹」を表わすギリシャ語。その名の通り「樹上」で生育する種が多いラン科。花言葉は、ささやき。
冬枯れの紫陽花


  色あせても
  すがれても
  夢の形を見失うな

  老いても
  病んでも
  誇りを捨てるな

  精一杯の命をとどめる
  冬枯れの紫陽花のように
プチうんちく:紫陽花は花期が終わっても、花の形をくずさない。咲き続ける心をそのまま残して枯れていく姿を、詩人高田敏子は、(ひとりの人を思いつづける心に似ている)とうたった。花言葉は、目覚めれば新たな夢。