詩のある花々・・初夏
グラジオラス


  一番下の花が咲くと

  待ちかねたようにすぐ上の花が咲く

  するとまたすぐ上の花も咲く

  こんな花のリレーを繰り返しながら

  夏の訪れを待っている

  人も同じように

  誰かの幸せが他の誰かの幸せを

  咲かせてくれるといいのですが
プチうんちく:葉の形が剣に似ているので、ラテン語にあたるグラディウスが語源。秘密の恋人に会う密会の時刻を、この花の本数で知らせたという。花言葉は、愛の祈り、密会。
立葵


  
花なんだけど

  君はいつも堂々と

  樹木のように姿勢がいいね

  えらそうにしている人間の僕が

  いつもうつむいて歩いていて

  なんだか

  君にあわせる顔がないよ
 
プチうんちく:別名、梅雨葵。梅雨入りの頃、下の方から咲き始め、梅雨明けに梢まで咲き上がるので。葉の汁を身体に塗ると虫除けになるという。花言葉は、大きな志。
大金鶏菊(おおきんけいぎく)



   向こうをむいて
   花びらの裏を見せている

   すねているような
   知らんぷりしているような

   あなたが機嫌をそこねて
   向こうをむいた時

   思いがけず白いうなじが
   目に入った
   あの一瞬を思い出します
プチうんちく:6月になると広島空港(三原市)周辺で満開を迎えた黄色い花のじゅうたんが広がる。初夏の空港の風物詩。花言葉は、いつも明るく。